歯周病の外科処置『フラップ手術』の手順とメリット・デメリット
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進行した歯周病に対して行う代表的な外科処置の1つに「フラップ手術」があります。 現在歯周病と診断されている方の中には、歯科医師からすすめられて受けようか迷っていたり、不安でいっぱいという方もいらっしゃるかもしれません。 フラップ手術の手順やメリットとデメリット、注意点も含めて詳しくご紹介します。 受けようか迷われている方は、ぜひ最後までご覧ください。
(*院長執筆:歯周外科治療の注意点!工程についても是非ご確認ください。)
歯周病の外科的処置『フラップ手術』とは?
フラップ手術とは、進行した歯周病に対して行う外科処置の1つで、歯肉を切開して歯根に付着した歯石や感染組織を隅々まで除去する方法です。 通常の歯周病治療を行ってもあまり効果を得られない場合に行います。
フラップ手術の手順
①麻酔をして、歯肉を切開
②歯石や感染組織を徹底的に除去・歯面を滑らかに仕上げる
③切開した歯肉を戻して縫合
④手術から1~2週間後に抜糸
フラップ手術をすることで得られる5つのメリット
『手術』という言葉に不安を覚える方もいらっしゃると思いますが、フラップ手術は決して難しい手術ではありません。得られるメリットは以下のとおりです。
・汚れを隅々まで除去することができる
・歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)が浅くなり、歯肉が腫れにくくなる
・歯肉の中に歯石が溜まりにくくなる
・歯周病による口臭が軽減する
・磨き残しが少なくなる
歯肉の中に歯石があると良くない理由
歯石の表面はざらついているため、付着しているだけで汚れが余計たまりやすくなります。 目に見える状態にして徹底的に除去することで、歯周病によって引き起こされるトラブルをいくつも解決することが可能です。
フラップ手術後の3つのデメリットと注意点
フラップ手術後のデメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
・切開した傷が治るのに数週間時間がかかる
・歯肉が下がり、歯が伸びたように見える
・知覚過敏が起こりやすくなる
感染した組織を除去するため、腫れが引くと歯肉が引き締まり、同時に歯が伸びたように見える方もいらっしゃいます。 しかし、手術前より健康な状態であることには変わりありません。 知覚過敏が起こった場合は、しみる痛みを和らげる処置をすることも可能です。
フラップ手術後は歯ブラシの当て方に注意
切開した部分は縫合しているため、通常より汚れが付着しやすくなっていますが、無理に歯ブラシの毛先を当てて汚れを取ろうとはしないでください。 治りかけの歯ぐきに傷がついて、治りが悪くなる恐れがあります。
フラップ手術で引き締まった健康な歯肉を取り戻そう
進行した歯周病は、通常の歯周病治療ではなかなか改善が見られず、長期的に見ると患者様の負担が大きいものです。 手術に対して不安や恐怖心を抱く方は多いですが、フラップ手術を受けて良かったという意見も少なくありません。 歯肉が健康になるかわりに、見た目の変化や知覚過敏のリスクがある処置なため、決断に時間が必要であることも充分理解できます。 メリットとデメリット、どちらも正しく理解した上で後悔のない決断をすることが大切です。
歯周病でお悩みの方はまずは当院にて歯周病検査を受けてみましょう。必要な治療方法をご提案させていただきます。
*当院で行った歯周外科治療の症例についてはこちらのページをご覧ください→歯周病ページ*